普段感じている身体の不調はありませんか?そのためにどうしたら良いかわからず、何となく見過ごしたままにしていませんか?でも、身体が発しているSOS を放っておくのはとても危険!日々感じる、こんな時はどうしたら良い?という不調に関する対策や改善方法などについて、専門家がお答えします。初回は、パリで植物薬理学を学び、日本における植物療法士の第一人者として活躍する森田敦子先生に、本格的な寒さ到来!“冷え”に関するSOSについて相談してみました。第2回は、多くの女性を悩ませる“生理痛と冷えとの関係性”について解説していただきます。vol.2「女性特有の冷えは万病のもと!」皆さん、冷えのコワさは
前回のコラムでお分りいただけたかと思います。
冷えや低体温は腰痛、肩こり、腹痛そして
生理痛などを引き起こします。冷えからくる血行不良は、実は心臓から最も遠い
手や足の先をどんどん冷やしていくのです。そんな経験は誰もがしていることでしょう。本当につらいですよね。
冬の季節、冷えで悩まされる女性が一気に増えていきます。冷えは万病の元ですからここはしっかりとケアしなくてはなりません。体が冷えていると免疫力が落ちてしまい、仕事にも恋にもエネルギーを燃やすことができなくなりますよ。
ー生理前の危険ことに
生理前の冷えは、ホルモンバランスの不調や月経前症候群PMS(注1)に繋がっていくのです。生理前に分泌量が増えていくプロゲステロンは妊娠に備えて子宮の体温を上げたり、体に水分を蓄えようとします。
水分が溜まることで体は冷えやすくなっていきます。ー生理中の危険生理中は体温を上げる作用のあるプロゲステロンの分泌の量が減っていくので反対に体温は下がります。生理で体外に排出された月経血を補うために子宮に血液が集まってきます。その結果血液循環が滞り、手足が冷えていくという悲しい循環。
私たちの体の中にもう一つの作用があります。排卵後妊娠しなかった際、子宮を収縮させて子宮内膜が剥がれ落ち、生理という状態になります。その時、体の様々な働きの調整をするホルモンに似ている生理活性物質の
プロスタグランジンが分泌されるのです。これは痛みのもととなる物質と言われています。
冷えによってもこのプロスタグランジンの分泌が促され、頭痛や肩こり、生理痛等の痛みを起こします。プロスタグランジンは生理の時、子宮を収縮させることで月経血の排出を促し生理痛の原因となるのです。また、子宮に長くとどまることで生理痛が長引いていきます。冷えることによって生理痛がひどくなるという…冷えと生理痛の関係が強いことが分りますよね。
ーどうしたら良い?高校生の時、生理痛がひどくて、保健室で湯たんぽを手渡された記憶が残っています。先生が、「湯たんぽをお腹にあててごらんなさい」と優しく語りかけてくれました。「仙骨(注2)にホカロンをあてておくと良いのよ!」と。うちに帰ると祖母は生姜湯を作ってくれました。そうジンジャーティー。はちみつなどで少し甘みをつけてくれました。体を温めることによって血流が良くなり、痛み物質であるプロスタグランジンを流してしまおうということ。このように
体の外側から温めたり、口に入れて中側から温めることも大事ですね。生姜はもちろん、シナモンやユズも体を温めてくれるハーブですよ!
そして
筋肉をつけて代謝をあげることも大切です。そして何よりもバスタイムですね。面倒でも、
シャワーで済ませないで、ゆっくりと湯船につかりましょう。この時期はユズ湯も良いですね。ゆっくりとお湯につかることで芯から冷えきった体と心を温め自律神経を調整することも忘れずに!
(注1)月経前、3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するもの。
(注2)背骨最下部(腰椎)の直下、お尻の出っ張りのすぐ上にある手のひら大の骨のこと。
植物療法士 森田 敦子 (Instagram:
atsuko1705)
日本における植物療法の第一人者。
CA時代にダストアレルギー気管支喘息の発病をきっかけに、フランス国立パリ13大学で植物薬理学を本格的に学び、劇的に改善。
帰国後、植物療法に基づいた商品とサービスを提供するため、会社を設立。
「アンティーム オーガニック by ルボア」などコスメ開発やAMPP認定・植物療法専門校「
ルボア フィトテラピースクール」を主宰。