2022/01/22

FOOD

旬食材辞典|疲れていたり、胃腸が弱った時には「長いも」がオススメ

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心も体も喜ぶ、旬の野菜を紹介していく新連載がスタート! 
栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。今回は1月の旬野菜「長いも」をピックアップ!



ー今月の旬食材ー
長いも

12〜1月が旬の長いもは、とても栄養価が高く「山うなぎ」と呼ばれていたり、中国では「山薬(さんやく)」と呼ばれ滋養強壮の漢方に配合されることも。
また、消化にもよいため胃腸が疲れているときにもおすすめ。
調理法によって食感が変わるので、飽きずにいただけるのも魅力です。


長いもの主な栄養素は?
ビタミンB1
糖質をエネルギーに変えてくれる栄養素で、疲労回復に役立ちます。糖質が好きな人や、運動量が多い方は、より積極的に摂るとよい栄養素です。
ビタミンC
ビタミンCは、ストレスや病気に対する抵抗力をアップ。抗酸化作用もあるため、がんや動脈硬化の予防にも効果的といわれています。
食物繊維
長いもは、栄養素の吸収の速度をゆるやかにし、食後の血糖値の上昇をゆるやかにする「水溶性食物繊維」と水分を吸収して便を増やすため、便秘の解消に効果的な「不溶性食物繊維」の両方を含んでいます。
カリウム
体の余分な塩分(ナトリウム)排出を促す作用があるカリウム。むくみ解消、高血圧予防に効果的です。
アルギニン
アミノ酸の一種であるアルギニンは、ビタミンB群と同様に疲労回復の効果が期待できます。
ジアスターゼ
消化酵素のジアスターゼが豊富に含まれており、長いもの主成分であるでんぷんを消化するのを助けてくれます。
ムチン
長いもの粘りは、オクラと納豆と同じで「ムチン」というぬめり成分によるもの。ムチンには胃腸を保護する効果が期待でき、消化にも優れています。


長いもの栄養を逃さず調理するには?
長いもに含まれる消化酵素やビタミンB1、ビタミンCは熱に弱いという特徴があるため、加熱することでその機能を失ってしまいます。栄養を効率よく摂取したい場合は、生のままいただくのがおすすめです。すりおろしてマグロの刺身やごはんに乗せて食べたり、わさびじょうゆ漬けにしたりしても。
また、温めていただきたい時は、蒸し上げるという調理法でも栄養を逃さずいただけます。
また、長いもの皮はむかずにそのまま食べることが可能。皮にも栄養が含まれているので、できればそのままいただくのが理想。皮から生えているヒゲが気になる場合は、直火でヒゲをあぶってから水洗いを。
また、皮をむく場合はうすくむいて、むいたあとは洗わないこと。洗ってしまうと豊富な栄養素や風味を逃してしまいます。


長いもを選ぶ時のポイント
丸ごと一本の場合
ふっくら太く、まっすぐ伸びているもの、ずっしりと重量感があるもの、表面にハリとツヤがあるものが新鮮です。
カットされている場合
切り口が白くみずみずしいものを選びましょう。長いもは時間が経つと切り口が変色していきます。白っぽくみずみずしさが残っているということは、新鮮な証拠です。


長いもは疲労回復、便秘解消、胃腸が弱った時の食欲増進など、さまざまな健康効果が期待できます。一年中スーパーに並んではいますが、ぜひ旬な今の時期にたくさん味わってみてください!

Text by Sonomi Takeo