キャベツ、バナナ…特定の食べ物だけを取り入れるダイエットは、もう終わり。いつまでも健康的な体を目指すなら、食べ物ではなく「食べ方」を改善していく必要があります。そこで提案したいのが、世界三大医学の一つ「アーユルヴェーダ」。インドの美容法としても知られていますが、本来は体内のバランスを整え、健康的な体へ導くための医療法なのです。何千人もの健康を取り戻し、依存症や摂食障害、自律神経失調症をはじめとする数々の問題を克服するのを支えてきたマイラ・リューイン氏が、アーユルヴェーダに乗っ取った「食べ方」をご紹介します。アグニって聞いたことある?食べ方を考えていく上で重要なのが、アーユルヴェーダの最も重要な概念の1つ「アグニ」。アグニとは、私たちが摂取したものを何でも、体、心、魂のために変換させることができるエネルギーのこと。アグニが上手く機能していない時は不調となって体に表れ、バランスがとれている時は生きるエネルギーが漲ります。アグニをケアすることは、健康と幸福のためにできる最も大切なことの一つです。
アグニがうまく機能していない状態疲れ、重さ、膨満感またはガスっぽさ、肌荒れや、思考力の低下
アグニのバランスが取れていると状態強いエネルギー、健康な肌、目の輝き、人生への熱意を感じる
アグニを強く保つには60:40の割合がベストアグニを強く保つには、バランスの取れた食事をすること。アーユルヴェーダでは、
60%のオーグメンティングな食品と40%のエクストラクティブな食品がバランスの取れた食事であると考えられています。筆者はそれを、
Hale Puleヘルシーボウルと呼んでいます。オーグメンティングな食品とエクストラクティブな食品は、身近なもので簡単に取り入れることができます。
balance agniオーグメンティングな食べ物とはオーグメンティングの食べ物は、栄養や滋養をもたらし身体の組織を作ります。主に穀物、野菜、新鮮な乳製品、果物など。これらの食べ物は、通常より甘味を感じ、食べることで活力とエネルギーが高まります。
穀物米(白米・玄米・その他)・小麦・大麦・そば粉・麦・キビ・キヌア・つきたての餅・打ち立てのうどん野菜アボカド・ビーツ・人参・きゅうり・蓮根・かぼちゃ・さつまいも・大根(甘いもの)・かぶ(甘いもの)・ズッキーニ乳製品全乳・ヨーグルト・ギー・バターミルク※有機、新鮮、生のものが最適
果物りんご・アプリコット・バナナ・さくらんぼ・クランベリー・デーツ・いちじく・レモン・ライム・いちご・桃・グレープフルーツ・パイナップル・ブドウ(種あり)・マンゴー・メロン・オレンジ・梨・柿・プルーン・レーズン取り入れ方毎日の昼食と夕食に、オーグメンティングの一部として、全粒の穀物を取り入れることが重要です。(時には朝食にも!)米、大麦、打ち立てのうどんやつきたての餅を選ぶと良いでしょう。穀物には、アグニをサポートする重要な消化酵素が含まれており、また穀物を取ることでお通じが良くなります。穀物の甘味は、ヴァータ・ドーシャをグラウンディングさせ、私たちによりバランスの取れた、穏やかで平安な心をもたらしてくれます。
エクストラクティブな食べ物とは?エクストラクティブの食べ物は、クレンジングを促進します。主に豆類、種子類、野菜など。エクストラクティブの持つ苦味、辛味、渋味の味は、消化の過程で代謝毒素を排出します。
豆類グリーンビーンズ・小豆・大豆(遺伝子組み換えでない)・黒目豆・レンズ豆・ひよこ前・豆腐(遺伝子組み換えでない)種子類ゴマ・松の実・銀杏・アーモンド・カシューナッツ・ヘーゼルナッツ・マカダミアナッツ・ピスタチオ野菜アスパラガス・たけのこ・ゴーヤ・チンゲン菜・ブロッコリー・芽キャベツ・ごぼう・キャベツ・カリフラワー・セロリ・白菜・大根(辛いもの)・ケール・オクラ・グリンピース・ほうれん草取り入れ方クレンジングの考えは魅力的かもしれませんが、やり過ぎてはいけません。エクストラクティブの食べ物を食べ過ぎると、ヴァータ・ドーシャが悪化します。ヴァータ・ドーシャが乱れると、乾燥肌、便秘、集中力や睡眠の質の低下などの症状が現れます。
早速取り入れられる簡単なガイドラインは、豆類や苦味、渋味の野菜よりも、穀物や甘味の野菜を少し多めに食べるようにして下さい。そして果物は、他の食べ物と一緒だと消化しづらくなるので、朝食や食間を十分にあけた(6~7時間)軽食として単独で楽しむようにしましょう。
精製された食品や肉もエクストラクティブの食べ物ですが、消化の過程で消化管と肝臓にかなりのエネルギーの負担がかかるため、日常的に食べるのはお勧めしません。
Hale Puleヘルシーボウルを作ってみようここではバランスが整うHale Puleヘルシーボウルのレシピをご紹介します。あなたの健康と幸福を高める簡単な食事法です。この方法が身につけば、食事の計画と準備も自然に楽にできるようになるでしょう。今回は、4人分のレシピを紹介します。食品は、2ページ目の他の野菜、穀物、豆類を代用することもできます。
※食事の準備を簡単にするために、バランスの取れた食事の計画を立てるのに役立つ
食事計画テンプレートを利用するといいでしょう。
1.ひよこ豆(エクストラクティブ)材料・たっぷりの水に一晩浸したひよこ豆 1カップ
・ひまわり油 大さじ2
・生のハーブ (ハレプレではタイバジルを使用)¼カップ
・フェンネルパウダー 小さじ2
・黒胡椒 小さじ⅛
・岩塩 小さじ½
・細かく刻んだ昆布(お好みで) 小さじ1
・絞ったライム汁 小さじ2
※アメリカの1カップは約240ml(以下レシピも同様)
作り方1.水に浸した豆を水切りします。
2.圧力鍋にオイルを入れたら中火で温め、スパイスを加えて香りがたつまで1−2分熱します。
3.ひよこ豆、岩塩、昆布(使用する場合)を加え、豆の1.5センチくらい上まで水を加えます。
4.圧力鍋の蓋をして加圧し、火を弱めて24分調理します。
5.自然に圧力が下がるのを待ち、お皿によそう5分前にライムの汁をかけます。
2.カルダモンライス(オーグメンティング)材料・バスマティライス(白米)1カップ
・水 2カップ
・ギー 小さじ2
・塩 小さじ¼
・岩塩 小さじ½
・カルダモン(ホール)4粒
作り方1.すべての材料を炊飯器に入れて、スタートボタンを押します。
(鍋を使用する場合は、すべての材料を入れて沸騰させ、とろ火で15分調理します。)
2.お皿によそう前に5分ほどそのまま蒸らします。
3.カルダモンは取り除くか、鞘の中の種を噛んで冷んやり感を味わってください。
3.スパイスキャロット(オーグメンティング)
材料・ニンジンのみじん切り 1カップ
・ギー 大さじ1
・クミンシード 小さじ½
・おろし生姜 小さじ1
・シナモン 小さじ¼
・岩塩 小さじ¼
作り方1.ソースパンでギーを温めます。
2.スパイスを加えて香りがたつまで熱します。
3.岩塩とニンジンを加えて、混ぜながらよくなじませます。
4.ニンジンの¼ の高さまで水を加えます。
5.蓋をして竹串が通るぐらいまで調理します。(コンロや鍋に応じて約5~7分)
4.クーリングケール(エクストラクティブ)
材料・ケールのざっくりみじん切り 2カップ
・ココナッツオイル 大さじ½
・乾燥ミント 小さじ2(または生のミント 大さじ½ )
・生のターメリックのすりおろし 小さじ2(またはターメリックパウダー 小さじ½)
・岩塩 小さじ¼
作り方1.浅めの鍋でココナッツオイルを温めます。
2.ミントとターメリックを加え、香りがたつまで熱します。(約1分)
3.岩塩とケールを加えてよく混ぜ合わせます。
4.ケールの¼ の高さまで水を加えます。
5.蓋をして、ケールが鮮やかな緑色になってやわらかくなるまで調理します。(約5分)
すべて同じお皿に盛り付ければ、バランスが整うヘルシーボウルの出来上がりです!
ライター/マイラ・リューインアーユルヴェーダとヨガを30年以上学び実践する。何千人ものクライアントが本来の自然なバランスのとれた健康を取り戻し、依存症や摂食障害、自律神経失調症をはじめとする数々の問題を克服するのを支えてきた。ニュージーランドを拠点とするHale Pule アーユルヴェーダ & ヨガの創設者・代表として、この2つの変容の科学を学び癒しを得るための幅広い機会を提供する。その内容は、アーユルヴェーダ・ヘルス・コンサルテーションからヨガ・アーユルヴェーダ指導者養成コースにいたるまで多岐にわたる。栄養学とアーユルヴェーダの2方面からコンディションづくりをサポートする食事と、ヨガのクラスが愉しめる今最も注目のコンセプトショップ「THE_B」にて、アーユルヴェーダメニューを監修。インスタアカウント:
@halepule_japan
出典:
太らない食べ方とは|消化・エネルギーを高める食材の割合と食品リストhttps://yogajournal.jp