心も体も喜ぶ、旬の食材を紹介していく人気連載。栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。今回は秋が旬の「しいたけ」をピックアップ!−今月の旬食材―しいたけ一年を通して出回りますが、本来の旬は9〜11月。春にも旬がありますが、春は身が締まっていて、秋は香り高い味わいを楽しめます。しいたけは日光に当てるとビタミンDが増え、香りも増します。食べる前に少しでも軽く干すのがおすすめです。
しいたけの主な栄養成分ビタミンB1ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える栄養素。そのため糖質の摂取量が多い人、体をよく動かしてエネルギーを多く生み出している人はビタミンB1の必要になってきます。また、偏った食事を摂取していると、特にビタミンB1欠乏症状が出やすいので、意識して摂取するよよいでしょう。
ビタミンDしいたけにはビタミンDになる前段階のエルゴステロールという成分が含まれます。エルゴステロールは紫外線に当たるとビタミンDに変化します。ビタミンDは、体内でカルシウムの利用効率を高めて、骨や歯の発育を促します。また、血中のカルシウム濃度を一定に保ち、神経伝達や筋肉の収縮を行う働きも。
食物繊維しいたけに多く含む不溶性食物繊維は、水を吸収し便のカサを増やすことで腸を刺激し、便通を促す効果があります。
エリタデニンしいたけ特有の栄養成分。エリタデニンは、血中のコレステロール濃度を低下させる働きがあるため、高血圧や動脈硬化を予防できる成分として期待されています。
しいたけの栄養を効率的に摂取する方法・調理前に干す生のしいたけを天日干しすると、ビタミンDの量がアップ。ヒダを上にして30分程度干すだけでOK。
・水洗いはしないしいたけは水洗いすると水溶性の栄養素が流出してしまったり、風味が落ちてしまいます。汚れが気になる場合は、固くしぼったふきんやキッチンペーパーで軽くふきとりましょう。
美味しいしいたけの選び方良質なしいたけを見分けるポイントは、
・カサの表が明るい茶褐色で、ツヤがあるもの・カサの巻きが強く、閉じているもの・裏のヒダが白いもの・軸は太く、短く、肉厚なものなど。
ヒダが茶色くなり、くすんでいて、形がくずれているものは鮮度が落ちているので気をつけましょう。
しいたけの保存方法<常温保存の場合>すぐに調理する場合は常温保存でもOK。高温・湿度が高い場所は傷みやすいので、なるべく冷暗所で保存しましょう。
<冷蔵保存の場合>汚れや水気をキッチンペーパーで拭き取り、ラップやジップロックなど密閉性の高い保存袋に軸を上にして(胞子が落ちると傷みやすくなるため)入れて冷蔵庫で保存。
<冷凍保存の場合>汚れや水気をキッチンペーパーで拭き取り、しいたけを食べやすい大きさに切る。密閉性の高い保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍庫で保存。
<乾燥して保存の場合>汚れや水気をキッチンペーパーで拭き取り、天日干しまたは乾燥機で乾燥を。天日干しの場合は風通しの良い場所に干し、日光が直接当たらないように気をつけましょう。
完全に乾燥したら、保存袋に入れて、冷暗所で保管を。
下ごしらえが楽ちんで、炒めても美味しく、煮物や汁物、副菜とさまざまな料理に活かせるしいたけ。秋はきのこが美味しい季節。鍋の季節のみならず、たっぷりと味わってみてください。
<参考文献>とれたて大百科|JA共済グループ野菜ナビ
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