心も体も喜ぶ、旬の食材を紹介していく人気連載。栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。今回は冬の終わり〜春が旬の「ふきのとう」をピックアップ!ー今月の旬食材ーふきのとう春の訪れを感じさせるふきのとうは、独特の風味がクセになる味わい。地域によって異なりますが、2〜5月頃が旬の時期です。「若返りのビタミン」と呼ばれ老化防止に効果的といわれるビタミンEのほか、女性が不足しがちな鉄分や葉酸なども豊富。特有の香りは「フキノリド」と呼ばれる成分で、胃腸の働きをよくしてくれます。苦味はポリフェノール類からくるもの。縄文時代から食べられていたと言われており、古来から親しまれてきた野菜のひとつです。
ふきのとうの主な栄養素は?ビタミン類ビタミンB1、B2、E、K、葉酸などが含まれており、代謝を活発にしてくれたり、抗酸化作用があるなど、老化防止に役立ちます。特にビタミンKは、骨や血液の健康を大きく関わる栄養素です。
カリウム体内の塩分や老廃物の排出を促してくれて、むくみ解消や高血圧などの生活習慣病予防に効果があるといわれています。
アルカロイド体内の有害物質を排出したり、肝機能を高めたりする働きがあります。
ケンフェロール動脈硬化、ウイルス性の病気の予防、免疫力も高める効果が期待できると言われています。
フキノリド胃腸の働きをととのえ、消化を促進してくれる効果が期待できます。
鉄分血液を作る重要なミネラル。貧血予防に効果があるといわれています。
葉酸造血作用や認知症の予防効果があります。
ふきのとうの栄養を効率よく摂取する方法ふきに含まれるカリウムや水溶性食物繊維は、水に溶けやすい性質があります。そのためゆでたり水にさらしたりするときは、必要最低限におさえることがポイント。
また、ポリフェノールは体に蓄えることができないため、一度にたくさんよりこまめに摂取することが大切です。
注意したいのが、ふきのとうには「ピロリジジンアルカロイド類」という天然毒が含まれています。ピロリジジンアルカロイド類は水に溶けやすいため、おひたしや味噌汁にするときは特に「アク抜き」をしっかりしましょう。
美味しいふきのとうの選び方ふきのとうは「成長しすぎていないこと」が大切。見分け方は、以下の3つ。
・つぼみが固く、葉が閉じている・大きいものより小ぶりのもの・鮮やかな緑色・形が丸いもの葉はぎゅっと閉じているものが新鮮です。葉が開いていたり、外が黒ずんでいたら鮮度が落ちているかもしれないので、注意しましょう。
ふきのとうの保存方法<冷蔵保存の場合>ふきのとうを軽く湿らせた新聞紙で包み、ポリ袋に入れる。冷蔵庫の野菜室で保存を。
※調理前に必ずアク抜きを!
<冷凍保存の場合>アク抜きをしてから水けをしっかりとキッチンペーパーでふきとり、ひとつずつ、または使いやすい数ごとラップで包む。冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存。
冬眠から目が覚めたクマが一番最初に食べるのがふきのとう、とも言われています。
それだけ体を目覚めさせ、デトックス作用を促し、栄養価が高いふきのとう。
天ぷらやおひたし、ふきのとう味噌など、「もう一品」に活躍する食材。春らしい食卓を彩ってみて。
<参考文献>日本educe食育総合研究所旬の食材百科