普段感じている身体の不調はありませんか?そのためにどうしたら良いかわからず、何となく見過ごしたままにしていませんか?でも、身体が発しているSOS を放っておくのはとても危険!日々感じる、こんな時はどうしたら良い?という不調に関する対策や改善方法などについて、専門家がお答えします。
初回は、パリで植物薬理学を学び、日本における植物療法士の第一人者として活躍する森田敦子先生に、本格的な寒さ到来!“冷え”に関するSOSについて相談してみました。4回の連載の中で、まずは今回なぜ女性の身体は冷やしてはいけないのか、を解説していただきます。vol.1「なぜ女性の身体は冷やしてはいけないのか!」寒い冬の季節に突入しました。マフラーがないと朝外に出られないほど風がつめたくなりましたね。冷たい外気にさらされている私たちの体は体温を落とさないよう体の表面や、手先足先の血管を収縮させる働きをします。交感神経が体を守ろうとしてくれるのです。女性の多くは冷え性で、末端が冷たくて夜眠れない人も増える季節。冷え性とは、大きく分けて4つ存在しています。
1. 低体温で体全体が冷えている2. 主に下半身が冷えている3. 手先足先のように末端が冷えている4. エネルギー不足で心が冷えている1,2は食生活の乱れや、運動不足など日常生活における不摂生の積み重ねで現れる症状としてよく見られます。
3は血流の悪さから先端まで血液が運ばれにくい状態です。
4は精神的なストレスによって自律神経のバランスが狂い、血管が収縮して血行が悪くなることによって起こります。くよくよ、しくしくと心が元気を失ってしまいます。
男性よりも筋肉量が少ない
女性は基礎代謝力が低めなので、血流やリンパの流れが滞りやすいのはよく知られていることですよね。それに加えて
女性ホルモンを分泌してくれる内臓や器官が、骨盤内いわゆる下半身に集中していることもその原因と言われています。自律神経の働きは女性ホルモンと密接な関係にあるのです。月経の始まりから思春期、出産、プレ更年期、更年期の真っただ中の女性はことに冷えやすいというわけです。
冷えは万病のもと。冷えが続くと体全体の免疫力がガタンと落ちてしまいます。
月経痛、子宮内膜症、卵巣機能不全、不妊症、自律神経失調症、鬱、膀胱炎や腰痛にもかかりやすくなってしまいます。
肌の保湿力もなくなり、美容の面からもかけ離れていきます。
漢方やフィトテラピーといった薬草学で言われる体温と身体の調子では以下のとおり。
36.6度 免疫力があり健康。肌のつやと保湿力抜群
36.0度 もう少し熱量をあげようと体が努力する。
35.5度 自律神経失調症 アレルギーが出やすくなる、女性ホルモンのアンバランス
35.0度 がん細胞が発がんしやすい
34.0度 水に30分浸かっている状態 命の回復が限界
33.0度 凍死寸前
30.0度 意識不明
27.0度 遺体
この数字を見てもわかるように、下がれば下がるほど人間としての生命が脅かされていきます。
冷えを放っておくと免疫力が落ちてしまい、何事にもやる気がなくなり元気を失ってしまいます。これでは女性として生まれてきた甲斐がありません。もったいない!
常に意識的に身体を動かし、温める食べ物を選んでください。
例えば、一駅二駅早歩きで歩いてみるとか。
食べ物だと、参鶏湯などには高麗人参のほかにナツメやクコが入っています。ショウガ湯や葛根葛湯も体を温めてくれます。
ユズを入れたお風呂も良いですね。昔から冬至にユズ湯と言われ、末端まで温めてくれるリモネンという成分が効果を高めてくれます。お風呂にもゆっくりと入りましょう。ハーブではヴァンルージュという赤ブドウの葉は血行を良くして体温を高めてくれます。
エネルギッシュで肌ツヤの良さは、最も美しくある証。早速温活!この季節を元気で美しく過ごしましょう。
植物療法士 森田 敦子 (Instagram:
atsuko1705)
日本における植物療法の第一人者。
CA時代にダストアレルギー気管支喘息の発病をきっかけに、フランス国立パリ13大学で植物薬理学を本格的に学び、劇的に改善。
帰国後、植物療法に基づいた商品とサービスを提供するため、会社を設立。
「アンティーム オーガニック by ルボア」などコスメ開発やAMPP認定・植物療法専門校「
ルボア フィトテラピースクール」を主宰。