2022/12/07

INTERVIEW

YouTubeは登録者数約17万人!Arisaさんがヨガや瞑想を通じて伝えたいこととは?

メキシコ・ロスカボス在住、ヨガ&瞑想インストラクターであるArisaさん
ウェルネスについて発信するようになった経緯や、これから目指してることをインタビュー!

元医師であり、現在はヨガ&瞑想インストラクターであるArisaさん。毎日をHappyに心地よく過ごせるTipsをYouTubeやアプリ「Wellness To Go」などで発信しています。
カナダ・バンクーバーに12年住んだあと、メキシコのロスカボスへカナダ人の旦那さんと愛犬3匹と移住して3年。
Arisaさんのライフスタイルや、ヨガや瞑想を発信するようになったきっかけなど、さまざまなお話を伺いました。

ArisaさんのYouTubeはコチラ。

――Arisaさんがカナダへ移住したきっかけを教えてください。
「はじめにカナダに来たのは10カ月の期間限定で語学留学をするためでした。そのときはまさか自分が海外に住むなんて思ってもみませんでした。自分でもびっくりです(笑)。」

――その行動力の源はなんだったんでしょうか?
「移住を決めたのは20代後半だったんですが、ちょうど30歳手前って、将来について漠然と悩む時期だったりしませんか? 私もそうでした。
海外に移住して、YouTubeで発信したりしていると行動力があるほうに思われがちなのですが、日本にいた時の私はどちらかというと主体的に動けないタイプ。保守的な医師家系に生まれて、与えられた場所で与えられた仕事をする。それが普通だと思っていたし、疑問にも思っていなくて。
それまでは親が敷いたレールに乗りながら、受け身で生きてきたんですけど、27才くらいから『このままでいいんだろうか』と不安を抱き始めて。とはいえ特にやりたいこともないし、環境を変えるのが手っ取り早いだろうという単純な理由で、2009年にカナダのビクトリアに語学留学しました。」

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カナダでヨガに出会ったArisaさん

――とても勇気ある行動ですね!周囲に反対はされませんでしたか?
「両親には大反対されましたね(笑)。父親は海外嫌いで、『英語が話せたからって世界は変わらない!』という考え方。でも、当時の上司が『いい経験になると思うし、日本に戻ってきたら今の職場で働けばいいよ』と背中を押してくれて。ここで行かなければ後悔する、と直感で感じて、どうにか親を説得して留学を決めました。
たしかに一度はキャリアを捨てるように見えるかもしれないですよね。でも、留学は10カ月と決めていたし、長い人生を考えたら10カ月なんてほんの少しの休憩タイムかな、と。もしかしたら『別に意味なかったな』と思うかもしれないけど、そんな結果になってもいいや!という気持ちで行きました。」

――留学してみて、どうでしたか?
「本当にいい経験になったと思います。『こんな世界があるんだ!』と視野がぐんっと広がりました。日本にいると、同じ環境に育った人、似ている価値観の人とかたまりがち。特に私は愛知県で勤務していたので、東京のような都会に住むよりもっと世界が狭かったと思います。
学校には今まで会ったことがないようなバックグラウンドを持った人たち、習慣やカルチャーも多様で、価値観も異なる人ばかり。授業も面白く、ホームレスの方が講師として来てお話していただいたり、一冊の本についてディスカッションしあったり。
留学の目的は英語でコミュニケーションをとれるようになることだったので、授業以外でもカフェで隣の人に話しかけたり、ボランティアに参加したりしながら人と触れ合う時間を多くしていました。その方々との出会いでどんどん私の考えは変わっていったし、オープンマインドになっていったと思います。」

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海外に住んだことで、どんどんオープンマインドに

――そのままカナダに住むことになった理由は?
「語学留学の期間が終わって、一度日本には戻りました。一年くらい日本で働き移住の準備をしてから、再びカナダへ。その時はバンクーバーへ移住しました。『これをやりたい!』というものが明確になったというよりは、留学したおかげで自分の中の何かがオープンになったというか、違う世界をもっと見たいと興味が湧いた感じです。あと、帰国する2カ月前に今の旦那さんと出会ったのも大きかったですね。」

――ヨガや瞑想に出会ったのは移住されてからですか?
「そうですね。でも、ヨガも瞑想も、最初からガッツリのめり込んだわけじゃないんです。移住した先では手に職をつけたかったのと、アロマに興味があったのでアロマセラピストになるために、マッサージの専門学校へ通っていました。その授業の一環でヨガのクラスもあったんです。
ヨガのメソッドはボディだけでなく、マインドにも影響します。学校では『人のケアをする仕事をするなら、自分のケアを最初にしなさい』という教えがあり、マッサージの技術だけではなく、マインドを学ぶ授業もたくさんありました。これは、マインドボディコネクションといって、『思考(心)は筋肉の動き(身体)に影響を与える』という考え方です。

実際、ヨガをやり始めたら心も穏やかになったり、ひどかった肩こりが改善したり、マッサージに必要な筋力もつくし、心も体も整っていく感覚がありました。マッサージの学校を卒業後、ビザの関係ですぐにスパでは働けなかったので、時間もあったしもっと自分のために学んでみようかな、と思ってヨガティーチャートレーニングを受講しました。」

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今では瞑想が日課に

――それからYouTubeを中心に発信をするようになった経緯を教えてください!
「最初は発信しようとは思っていなかったんですが、いろんなきっかけが重なったんです。まずYouTubeを始める一年前、2013年からブログを始めたんです。学校卒業後、スパのお仕事をするにもビザが必要だったので、すぐには働けなくて。なのでマッサージはボランティアでほとんどやっていたため、時間がたくさんあったんです。
ブログは『一日の中にちょっと力を抜く時間をみんなに作ってもらえたら』という想いからスタートして、身体のこと、マインドのことなど、ウェルネスにまつわることを発信していました。そこでヨガや瞑想のことも書いていたんですが、どうしても文章より動いているほうが伝えやすいなぁとは思っていたんです。
そんな時にそろそろヨガを人に教えてみたい、と思って教室で教えてみたら、それはもう、教えるのが全然向いてなくて(笑)。これはもっと自分には練習が必要だ!と思い、YouTubeを発信しながら自分も練習していたような感じもあります。そして、海外では老若男女、いろんな年代、性別の方々がヨガに参加しています。体がかたくてもいいし、もっと気軽なものなので、日本でももっとそれを多くの人に広めたいと思ったことがきっかけです。」

――瞑想はどこで学んだんですか?
「私の中でヨガ=瞑想だったので、最初はそれで十分だと思っていたのですが、ある日旦那さんに『TM瞑想(超越瞑想®(TM)のこと。簡単に心をリラックスさせ、喧騒から静寂の世界に導く瞑想法)を受けてみないか』と誘われて、体験しにいったんです。TM瞑想は当時ハリウッドセレブがみんなやっていて、旦那さんも映画関連のお仕事でまわりの人達が通っていたらしく、興味があったみたいで。そこからなんとなく始めた感じです。最初は週に3〜4回程度、夕方にやっていたくらい。眠気もさめるし心地よかったので続けていました。
瞑想の効果を改めて感じたのは、始めてから2〜3年後くらい。自分が運営するオンラインコースを始めてすごく忙しくなってきた頃でした。考えることがありすぎて常に頭の中がパンパン、ザワザワしている状態になってしまって、ネガティブになりがちだったんです。その時、瞑想の時間を増やして毎日やるようにしてみたら、集中力がアップしたり、感情の起伏も落ち着いたり、自分の中で変化を感じ始めました。」

――瞑想はすぐに効果を得られるものではないので、継続するのが難しいのかもしれませんね。
「そうなんですよね。でも、私は無理に続ける必要もないと思っているんです。一度やり方さえ学べば、そのツールがもう自分の中で使えるようになっているわけですから、必要だと感じた時にまた始めればいいと思うんです。<人生をよりよい方向へ進むための、自分の中にある引き出し>みたいな感覚でしょうか。」

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YouTube配信は2013年からスタート

――なるほど! 自分が必要だと感じた時にやるといいのかもしれないですね。
「私はもともと面倒くさがり屋だし、飽き性なんですよ。YouTubeは編集作業なども含めて、自分が楽しいから続けていました。」

――「どうしてもモチベーションが上がらない!」という時もありますか?そういう時はどうしていますか?
「体を動かしたり、ビヨンセなど、自分がリスペクトしている人のYouTubeを見ることが多いですね。スピーチとか聴いていると、こんなすごい人でも辛い時があるんだと、励みになります。でも、むしろモチベーションに頼らないようにもしています。
じゃあ何かを継続するにはどうすればいいかというと、『コミットしてやるかどうか』だと思うんです。YouTubeも最初は趣味だったんですけど、旦那さんに『これ趣味なの? 今後はコミットしてやっていくの?』と聞かれたとき、『これはちゃんとコミットしてやっていきたい!』と思ったんです。そうと決めたら、やりたくない日だってやるしかなくなるんですよね(笑)。」

――たしかに、毎日やる気満々というのは難しいですよね。
「例えば子育ても同じじゃないかな? 今日は疲れてるな、だるいなと思っても、やるしかないわけで。そういう時は完璧にやる必要はなくて、その日のベストを尽くすだけでいいと思うんです。私にとっては、YouTubeも自分の子どもみたいなもの。大切なものなので続けているのですが、無理にモチベーションを上げようとせず、淡々とやることも大切。淡々とやる力も、ヨガや瞑想でついた気がします。あと、自分のルーティンを作ることはひとつの手だと思います。」

Arisaさんは2019年末に、夫婦でメキシコのロスカボスに移住。カナダ・バンクーバーの冬は雨が多くて気持ちもどんよりしがちなので、冬だけバケーションで暖かい場所に移動する人が多いんだとか。Arisaさん夫婦もそんな風にロスカボスへは何度か訪れていて、「いつか住みたい」と思っていたそう。
そして2019年、メキシコ滞在時にコロナ禍になり、そのまま住むことに。今では「ロスカボスが夫婦揃ってとても心地いい場所」となったそうだが、現在のライフスタイルも伺ってみた。

――Arisaさんはどんなルーティンがあるんですか?
「朝は6時くらいに起きたらすぐ朝日を浴びて、体を動かします。犬の散歩をしながらハイキングに行ったり、ピラティスレッスンをしに行ったり。帰ったらエクササイズをして、シャワーを浴びたら瞑想をして、コーヒーを飲んで。そんなふうに過ごしながら、9時までを自分のための時間に使っています。今は理由あってメキシカンキッズを預かっているのですが、キッズ達のお弁当作りも朝のルーティンに加わっています。
この朝のルーティンはコロナになってからなんです。それまでそこまで早起きもしていませんでした。こんなに世界が変わっているのに、自分が変わらないのはよくないと思って、新しいルーティンをつくりました。朝が充実すると、一日が気持ちよくスタートできるので、心も体も活動的になる気がします!
夜はできれば20時にはデジタルオフして、ストレッチやヨガをして、足のマッサージをしてから22時頃までには寝ます。でもこれは理想で、もっと遅くなってしまう日もあるのですが…。私、寝るのは特技というくらい、スコーンって寝られるんです(笑)。睡眠で悩んだことは、ないですね。日中体を動かしているので、体が疲れているのもあると思います。」

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朝は愛犬の散歩をしながらハイキング

――もともと体を動かすのは好きだったんですか?
「いえ、それがそうでもなくって(笑)。旦那さんが体を動かすのが好きなので、一緒に運動するうちに好きになっていった感じです。体を動かすと、ちょっとした悩みも忘れられる。体がスッキリするだけじゃなく、心もととのう気がするんです。バンクーバーに移住したばっかりの頃、自分は肩書きがなくなって職も得られてない時期に、SNS上で日本にいる友人たちの投稿をみたりするとみんな輝かしく働いているように見えてしまって、『私はここで何をしているんだろう』と落ち込んでしまったこともありました。
でも体を動かしてたっぷり汗をかくと、そんな悩みも吹っ飛んで、また『明日から頑張ろう』って思えるんです。」

――食事で気をつけていることはありますか?
「それよく聞かれるんですけど、意外となんでも食べます。ひとつ気にしているのは、ホールフーズで食べるようにしていて、加工品などはあまり食べないようにはしています。料理もかなりシンプルで、アボカド切って、食べる!みたいな野生的な食生活です(笑)。スナック菓子はあんまり欲しないので食べてはいないです。あ、あとお米など炭水化物はそこまで食べていないかもしれません。どちらかというと高タンパク質、低炭水化物な生活。でも、その生活になってから便秘がちだったのが改善されました。
いずれにせよNGにしているものはあまりありません。移住してヨガや瞑想をするようになってから、体の声を聞くのは上手になったように感じます。」

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胃を休めるため16時間断食したあと、最初にいただいたある日の食事。卵が大好物!

――何事も、バランスをとることが大切かもしれないですね。
「何が正しいというのはないので、自分の内側に聞いて、バランスを自然ととれるようになるのがベターですよね。女性性や男性性のバランスについても、最近よく考えます。自分は気がつくと男性性が優位になりやすいほうで、そうなると考え方がすごく頑固になってしまったり、旦那さんへの風当たりも強くなったりしちゃうんです(笑)。
そんな時はセルフケアをしたり、マッサージを受けたり、海へ行ったりします。特別なことをしなくても、自分のために何かひとつでもやってあげることで、女性性って満たすことができると思っています。」

――コロナ禍の影響で、ウェルネスという言葉を耳にする機会が増えました。Arisaさんは10年ほど前からウェルネスについて発信してきたわけですが、Arisaさんにとって『真のウェルネス』ってなんだと思いますか?
「“調和・ハーモニー”だと思います。私が心地よいと思う状態は、頭・心・体すべてがアライン(一直線になっている状態)されている感じ。ヨガや瞑想だけではなく、人生を通して学びというものはあり、その全部がウェルネスにつながってくると思います。そこにゴールはないし、その時々で調整したり、対応すればいいとも思っています。」

――最後に、これから目指していることを教えてください。
「今後は、中学生や高校生など、10代の学生達に向けた講演会をやってみたいと考えています。内容はこれからですが、自分らしさとは何か、そして心や体をととのえるためのツールとして、ヨガや瞑想があるということ、そんな話をしていきたい。
今あるコミュニティ『Wellness To Go』も何かを始める一歩になるプラットフォームとして、もっといろんな人、多くの方々に広げていけたらいいなと、思っています。」


とてもヘルシーで、いつもポジティブな雰囲気を纏っているArisaさん。
何かに固執することなく、自分が心地よい状態を常に探しながら、自分なりのウェルネスライフを送っている姿が感じ取れました。
何がウェルネスかは、人それぞれ。そのツールがヨガであったり、瞑想であったり、それ以外かもしれません。
いい意味で軽さがあるのがArisaさんの魅力! YouTubeやInstagram、オンラインコースなど、さまざまなツールで発信されているので、ぜひチェックしてみてください。


Text by Sonomi Takeo

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