2024/04/19

INTERVIEW

【湘南PEOPLE】「大地と繋がる素晴らしさとは?」茅ヶ崎在住のヨガインストラクター・Ellyさんにインタビュー

今回インタビューしたのはヨガ講師であり、アーシングなどウェルネスに関する発信をする、オンラインコミュニティを運営する茅ヶ崎在住のEllyさん。ウェルネスに関心を持った経緯や、彼女自身がどんなライフスタイルを送っているのかを伺ってきました。

――Ellyさんはヨガ講師やアーシングの発信など、さまざまなウェルネスに関する活動をされていますが、今の活動に至ったきっかけは?
「ハワイに2年ほど住んでいたことが大きかったですね。ハワイに住んでいたときは、サーフィンやヨガ、ハイキングなど常に自然に繋がれる生活をしていたので。私のウェルネスの土台はそこにあると思います。」

――ハワイには仕事で?
「はい。20代のときは、地元の名古屋で美容系の会社に勤めていたんです。平凡な会社員ながら仕事は楽しかったのですが、もっとほかのことをやってみたいと思って会社を辞めて、時間があったのでハワイへ遊びに行ったんです。
そこで運良く、次の仕事先が見つかって。実のところ、もともとハワイが好きでもなかったんですけど、仕事辞めてどうしようかなと思っていたときに、『別に日本じゃなくてもいいかもな?ハワイだったら日本語も通じる人も多いし、仕事的にハードル低いかもな』と、ぼんやり考えていたんです。それもあってハワイへ遊びに行ったところもあって。
そこでランニングなどのイベントを運営しているスポーツ会社の社長と出会い、ちょうど一人だけ社員を募集しているということで、そこで働かせていただくことになったんです。」

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ハワイのヨガイベント

――奇跡的な出会いですね。ハワイで働くことに憧れている人も多いと思いますが、実際どうでしたか?
「人が温かく、自然がすぐそばにあるハワイで暮らすことは最高でしたが、それなりに大変なこともありましたね。物価も高いし、せまいコミュニティのなかでは噂も広まるのも早いですし。キラキラしたところもあるけれど、思っている以上に厳しい世界も垣間見た気がします。それもいい経験です。」

――ハワイを2年で出た理由は?
「いったん就労ビザの更新がきれるタイミングで、人生を見つめ直すきっかけになりました。このままハワイで同じお仕事で継続して滞在するよりも、今の私にとっては環境を変えて新たなチャレンジをする方がより私らしい!覚悟を決めて、ハワイを出る決断をしました。
それで、そのときちょうど30歳になる年だったのでこのタイミングでワーホリ(※)に挑戦したい!と思ったんです。日本に帰国して10日後にはオーストラリアのゴールドコーストへ渡りました。」

(※)ワーキングホリデー…18歳~30歳を対象とし、日本と協定国の異文化交流や相互理解を促進するために生まれた自由度の高い特別な海外留学制度

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ビーチでのヨガは最高に気持ちいい

――オーストラリアでは何を?
「ハワイでヨガの資格を取得していたので、SUPヨガのインストラクターをしていました。でも、コロナの影響で半年しかいることができず、日本に戻ることになりました。帰国してからは茅ヶ崎に住んで、現在に至ります。今年でちょうど2年がたちます。」

――茅ヶ崎を選んだ理由は?
「とくに縁はないのですが、なんとなく湘南で暮らしてみたいなぁと思っていたんです。でも家を探していたけどいい物件がなくて、難しいかも…と思っていたら、たまたま茅ヶ崎に住んでいた友達が奄美大島へ移住することになり、その家にそのまま住めることになりました。運はいいみたいです(笑)。」

――素晴らしいです。具体的にどんな活動をされているのですか?
「ヨガ講師として、アーシングやコーチングの育成、トレーニング、オンラインコミュニティ運営などをしています。コミュニティでは、大地と繋がるセルフケアについて発信しています。」

――大地に繋がること、つまりアーシングを発信するようになったきっかけは?
「アーシングによって人生がど〜んと変わった瞬間があったんです。ハワイのビーチでヨガの資格をとっていたとき、まだ雑念がたくさんありました。海も実はそこまで好きとかはなくて…。でも、友達が海ではしゃいでいるのを見て、衝動的に私も服を脱いで海にドボンしたんです。そしたら仕事とか恋愛とか、家族とかいろんな制限とか、長年こびりついていた観念が全部消えた感覚があったんです。
『自分はこんなに幸せだったんだ!』と感じました。そこまで幸せを感じられたのは、もしかしたら初めてかもしれない。
その感覚が気持ちよくて、それからは自分を“作る”ことをやめました。当時は26〜27歳で、しっかりした自分、大人の自分を繕って、本当の自分をさらけだせていなかった。ハワイで海に入るうちに繕う自分がどんどん抜けていって、自然と繋がることってとても素晴らしいことなんだと、日に日に実感するようになりました。日本に帰国してからそれを思い出して、まわりの人にも伝えたいと思ったんです。」

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アーシングマーケットにて

―ー自然と繋がることで、Ellyさんの意識もどんどん変わっていったんですね。
「だいぶ変わったと思います。会社員のときは朝からジムにいって、メイクは一時間もかけていたし、夜は付き合いで飲み会にもちゃんと顔を出すタイプでした。
それで頑張りすぎて、体調を崩すこともしばしば。そんなふうに頑張りすぎてヘトヘトになっていた自分の皮がはがれていって、どんどん緩むことで本来の自分を取り戻していった感覚です。」

――コミュニティでは具体的にどんなことを発信しているんですか?
「自分なりのメソッドを伝えています。アーシングの方法や効果、そしてヨガや瞑想、呼吸法などのお話もしながら、自分を満たしてあげるセルフケアを伝えています。アーシングといっても海や山にわざわざ行かなくてもよくて、公園やお庭でもいいし、神社の御神木をさわるだけでもいい。ビーチで拾った流木や石をおうちに持ち帰り、それに触るだけでもいいんです。
あと大切なのは、マインドフルネスな状態でいること。海にいるのに他のことを考えたり、未来や過去のことで不安になっていたらもったいない。
だからこそヨガや瞑想、呼吸などのメソッドが必要で、散らばっていた脳内の疲れがリリースされるんだと思います。
コミュニティはいつやめてもいいシステムで、もちろん戻ってきてもOK。『一緒にやろうよ』という気持ちだけで続けてきました。」

――アーシングは誰でもすぐにできるのがいいですね。
「そうなんです。本来は生きていればアーシングってできるものだと思うのですが、現代人の生活ではなかなか難しいので、最初は意識的にやるのがよいのだと思います。」

――環境に関するアクションもされていますよね。
「茅ヶ崎でもハワイでも、オーストラリアでも、身近でお世話になっているのが海。これは一生変わらないと思います。海のない生活は信じられない。それくらい愛してやまない存在。私のなかで海への感謝はとても大きいんです。
だから海の豊かさを守りたいという気持ちは、ごくごく自然な流れで溢れてきました。
ビーチクリーンなどのイベントも開催したりもしていますが、日常生活でも気をつけていて、洗剤はほとんど使いません。シャンプーも毎日は使わず、ほとんどが湯シャン(お湯だけで髪を洗うこと)です。地球にやさしいものを使うのもそうですが、できるだけ買わない、使わないことも大切だと思っています。」

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身近にいつも海があるライフスタイル

Ellyさんの想いが伝わり、コミュニティの受講生は約300人にもなった。
自分を満たすことに長けているEllyさんだが、そんな彼女も昨年会社を立ち上げるにあたり、無理がたたってダウンしてしまったそう。
そこで得た気づきとは?

「会社を立ち上げたとき、会社員時代の性質が出てきてしまって、つい頑張りすぎてしまったんです。ずっと気が張った状態でしたし、『ここで失敗したら終わる!』と思ってひとりで頑張ろうとしていました。そこで、ついに体の限界がきました。もう仕事ができる状態ではないほど心身ともに崩れてしまったので、わがままをいって2カ月ほどおやすみさせていただきました。
それまで、勝手に自分がやらないとまわらないと思い込んでいたんです。休むことに罪悪感もありました。でも休んでからはチームメンバーがすごく頑張ってくれて、最終的に予想以上の結果を出したんです。みんなにとっても成長になったし、人に頼ることってお互いにいいことなんだということを認識しました。この経験は私にとても安心感を与えてくれました。」

――休んだり緩めることは大切ですね。ご自身ではどんなふうに心身をととのえていますか?
「ルーティンとしては毎朝起きたらすぐ瞑想をして、それから白湯を飲みます。週に数日、朝6時〜サブスクの発信があるのでみんなで一緒に瞑想やヨガをしたり、ジャーナリングすることもあります。それから雨の日でなければ海まで散歩をして、キッチンカーのコーヒーを飲みに行きます。そこは駅から離れている場所なので、ほとんどが地元の人なんです。行けば誰かしら知っている人がいるので、ついつい寄っちゃいますね。そこにいるだけで人と人が繋がるので、とてもいい刺激になります。このルーティンは必ずしていて、旅先でも瞑想や散歩はできるので、習慣にしています。朝5時には起きたいので、夜は22時くらいには寝てしまいます。」

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茅ヶ崎で常連の、キッチンカーのコーヒー屋さん

――食事で気をつけていることはありますか?
「いっぱいあります! 自称・健康オタクです。実家が農業を営んでいたので、畑で採れた野菜や産み立ての鶏の卵をいただくのは子どもの頃から当たり前のことでした。
昔からスナック菓子もあまり食べないほうで、家でも自炊がほとんどです。
でも3年ほど前、仕事が忙しすぎて自炊ができなくて、コンビニ食ばかりになっていた時期があったんです。そのときはちゃんと体が反応して、全身に蕁麻疹が発生してしまい、耳も腫れてパンパンになってしまって。
そこから自炊もできないような仕事量をかかえるのはやめました。やっぱり食は体のベースだと実感した出来事です。」

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食事はなるべく自炊で

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畑作業をすることもアーシングのひとつ

――さまざまな活動をしているEllyさんにとって、ウェルネスな状態とは?
「『何もないとき』です。毎日海へ行って帰ってくる。同じ道、同じ風景。そんなルーティンで過ごしているときは、不安や心配ごとがまったくありません。何もない静けさ。それってとても幸せなひとときだなって思います。
時間に追われていると、自分のささいな心の動きや状態に気づいてあげられない。静かな時間を作らないと、自分のことがわからなくなってしまうと思うんです。
自分のマインドに耳を傾ける時間をつくってととのえることが、わたしにとってウェルネスな状態です。」

――ありがとうございます。では最後に、今後の展望があれば教えてください!
「お仕事でいうと、もっと世界中でヨガをできるチャンスを増やしたい。ヨガに出会ってから、意識も変わって自分自身がその恩恵を受けているから。
プライベートでは、今は独身ですがこれから家族をつくって、自然な暮らしを続けていくことが理想。家族でバンライフをしたり、自給自足をする生活ができたらいいな。家族もチームというイメージ。この2〜3年、ずっと仕事に突っ走ってきたので、そんなふうに家族を大切にしながら過ごす日々もいいなって思っています。」


【INFORMATION】
Earthing Market Chigasaki vo.12を開催!
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フェーズフリー、大切な命と愛する地球を守ろう。
会場 :サザンビーチちがさき前 (浜降祭の壁画内)
日時 :4月20日(土)11:00-16:00
※雨天の場合、4月21日(日)に変更
主催:アーシングマーケット茅ヶ崎実行委員会
特別後援 : 茅ヶ崎FM
出店店舗: 約55店舗/キッチンカー10台
ヴィーガンフード、エシカル雑貨、ワークショップ、
サスティナブル体験、トークショーなど。
会場には、エコバッグ、カトラリーをご持参ください。

Text by Sonomi Takeo

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