2022/10/18

FOOD

春だけじゃない!秋も美味しい「じゃがいも」はビタミンの宝庫

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心も体も喜ぶ、旬の食材を紹介していく人気連載。栄養素や下ごしらえのヒントなど、ビープル的役立つ情報をお届けします。
今回は秋が旬の「じゃがいも」をピックアップ!


ー今月の旬食材ー
じゃがいも
春と秋、年に2回の旬があるじゃがいも。春に出るじゃがいもは、皮が薄くみずみずしいのが特徴で、秋は皮が厚く、ふっくらとしていて甘みが増しています。カロリーが高いと思われがちなじゃがいもですが、じゃがいも単体ではそこまで高くありません。
また、ビタミンCや食物繊維、カリウムなど女性に嬉しい栄養素がたくさん!
さらに、春の新じゃがに比べると、水分量が少なく長期保存に向いているのも特徴です。


じゃがいもの主な栄養素は?
ビタミンC
抗酸化作用があり、活性酸素を抑えるため、老化防止に役立ちます。ビタミンCは水溶性ですが、じゃがいもに含まれているビタミンCはでんぷんに含まれているため、熱に強く加熱調理に向いています。
ビタミンB2
ビタミンCと同様、水溶性ですが他のビタミンに比べると熱に強いため、加熱調理と相性のよい栄養素です。
ビタミンB6
ビタミンB6は脂質のサポートをしたり、エネルギーを作り出したりする働きがあります。動脈硬化や脂肪肝の予防にも効果的。
ナイアシン
補助酵素として酵素の働きを助ける働きをします。これにより、皮膚や粘膜の健康を維持し、細胞の生まれ変わりにも役立っています。
パントテン酸
パントテン酸は、ナイアシンと同じく補助酵素として酵素の働きをサポート。また、副腎皮質の働きを促して、ストレスを和らげる働きをしています。また、動脈硬化の予防やコラーゲンの生成をする際のビタミンCの働きをサポートする役割をします。
食物繊維
食物繊維は腸内環境を整える役割があり、便秘の解消に役立ちます。また、糖尿病の予防やコレステロール値を低下させる働きもあります。
カリウム
必須ミネラルの一種で、塩分(ナトリウム)を排出する働きがあります。そのため、むくみ予防と改善、高血圧の予防に役立ちます。また、筋肉の収縮にも関係しているため、筋肉の維持をする働きもあります。
マグネシウム
カルシウムなどとともに丈夫な骨や歯をつくる働きがあります。また、高血圧の予防や生活習慣の予防の役割を担う役割も。

じゃがいもの皮の部分に含まれる鉄。組織や細胞に酸素を運ぶ役割を担っており、体を動かす上に重要です。また、鉄を摂取することで貧血の予防ができます。
クロロゲン酸
ポリフェノールの一種で、抗酸化作用の働きをするため、老化防止に役立ちます。また、糖尿病の予防や脂肪肝の予防をする働きもあります。


じゃがいもの栄養を逃さない調理法とは?
皮付きのまま調理する
じゃがいもの皮には栄養素があるため、皮付きのまま調理するのがおすすめ。ただ皮が緑色に変色している場合、ソラニンという毒素が大量に発生しています。体に悪影響を及ぼしてしまうため、緑色の皮は避けましょう。
また、皮を食べるときはじゃがいもについている土をよく洗い流してからいただきましょう。
煮る
じゃがいもは、カレーやシチュー、肉じゃがなど煮るレシピは多数。じゃがいもは水溶性のビタミンがたくさん含まれていますが、煮る調理なら溶け出した水溶性ビタミンを一緒に食べられるため、余すことなく栄養素を摂取できます。


美味しいじゃがいもの選び方
基本的なチェックの仕方としては、
・じゃがいもに傷がない
・ふっくらとして重みがある
・表面にシワがよってないもの
を選びましょう。

じゃがいもの芽や緑に変色してしまっているものは、毒素のある成分が含まれており、お腹を痛めてしまう場合があるので注意しましょう。

また、用途によってじゃがいもの種類の選び方も変えるとよいです。
例えばポテトサラダやコロッケにするのであれば、煮崩れしやすい男爵芋、メークインやホッカイコガネなどは煮ても崩れにくいので、カレーやシチューなど煮込む料理に向いています。


じゃがいもの保存方法
じゃがいもは冷蔵庫など低温の場所で保存すると、でんぷんの一部が糖に変化し、糖度が増加します。糖度が増加したじゃがいもを120℃以上で加熱することで、発がん性などを含むアクリルアミドが発生しやすくなります。
風通しのよい涼しい場所、暗い場所などで常温保存しましょう。明るい場所で保存するとソラニンという毒素を増加させてしまいます。ゆえに、暗い場所で保存することが重要になります。


ほくほくのじゃがいもは、蒸してもゆでても、炒めても美味しい万能な野菜。保存も効くので、秋冬の定番食材として活用して楽しんでみてください。




<参考文献>
ふるさと納税DISCOVERY
じゃがいも工房

Text by Sonomi Takeo